賃貸住宅の鍵をグレードアップすることで生活を楽にできる

皆様こんにちは。梅雨の時期ですね。

今日は、「賃貸住宅の鍵をグレードアップすることで生活を楽にできる」ことについてお話をしたいと思います。

賃貸住宅の「鍵の交換費用」は誰が負担するの?

我が家は賃貸住宅です。しかも築25年以上の物件(賃貸用マンション)です。

実はこの家に入居するとき、管理会社とこんなやり取りがありました。

(管理)入居の際に玄関の鍵をあなたの費用で交換してください。

(私)どうして自費で交換しないといけないのですか。

(管理)前の入居者さんが鍵を複製し、まだ持っている可能性があります。防犯対策のためにも、ご自分で鍵を交換することをおススメしています。

賃貸住宅を借りた際に、こんなやり取りをされた方が他にもいると思います。「前の入居者に鍵を開けられたら嫌だから交換しよう」と、特に女性は思ってしまうと思います。

でも、鍵の交換は「借主が行う」とは決まっていません!

実は、貸主・借主のどちらが費用負担をするかでトラブルが起きないよう、国土交通省では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によりルールを設定しています。ガイドラインの中では、「賃貸人(貸主)が負担することが妥当」とされています。東京都のガイドラインも同じく「貸主負担」とされています。この理由はなぜか?

家を借りる時に、鍵がかからない物件を借りる人はいませんよね?鍵がかかることは当たり前のことなのです。つまり、貸主は借主に対して鍵がかかる賃貸住宅を提供することが、世間一般の常識となります。

ところが、ガイドラインは「防犯」という視点を盛り込んでルール作りを行っていません。ですから貸主が「私は鍵がかかる家を提供しています。その鍵が不安だというのは借主さんの心情なので、私にはどうすることもできません。不安で交換したければ、そちらの費用でやってください。」という考え方がまかりとおっているのです。

ちなみに、URのホームページでも、以下のように記載されています。

賃貸物件の鍵交換にまつわる基礎知識

 賃貸物件の鍵交換にまつわる基礎知識 賃貸契約での鍵交換については、家主である貸主と借主の間で、問題が起こりやすい事例の一つ。トラブルを避けるためにも、鍵交換に関する基礎知識を理解しておきましょう。

●鍵交換が必要な理由
 鍵の交換は必須ではありませんが、防犯上のリスクを考えると、入居時の鍵交換は必要です。
  鍵交換なしのケースでは、前入居者がスペアキーを作製していた場合に、住居へ侵入できるので、防犯面での不安が残ります。また、不特定多数の人にスペアキーが渡っている可能性もあり、強盗や空き巣などの被害を受けることも。
 万が一の事態に備え、費用負担が発生する場合でも、セキュリティを強固にするために、鍵交換はしておいた方が賢明です。

●鍵交換に関する費用負担
 鍵交換にかかる費用は、入居時に借主が負担することが一般的です。  
 貸主、借主のどちらが費用負担をするかでトラブルが起きないよう、国土交通省では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によりルールを設定。ガイドラインの中では、賃貸人(貸主)が負担することが妥当とされていますが、法的拘束力はなく、最終的には貸主が判断することとなります。
 賃貸借契約書は、貸主に優位な条件で作られることが多いため、契約書に、鍵交換に関する費用を負担する旨の特約が記載されていれば、借主は負担しなければなりません。

https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202012/000597.html

賃貸借契約書が貸主に有利な条件で作られているため、借主は言いなりにならないといけない!と書いているのです。

これ、真面目に戦えば借主が勝てるのですが、「おかしいじゃないか!あなたが費用負担しろ!」とごねると、「ならば、あなたとは契約しません(契約するかどうかは自由なので、契約しないと言う事を選択することは認められます)」と言われるのが落ちです。

ちなみに、URさんのホームページをみると補足があります。

UR賃貸住宅なら鍵交換費用は不要

 鍵の交換費用の有無は、賃貸物件によって変わってくる項目ですが、UR賃貸住宅なら、入居時の鍵交換費用の負担はゼロ。気になる入居時の初期費用も、ここで紹介します。

●入居時の鍵交換費用が不要

 UR賃貸住宅の場合、通常の賃貸物件で入居時に必要となる鍵交換費用が不要。前入居者が使用していたものから交換された3本の鍵が入居者に預けられ、退去時に返却が必要となります。

 また、賃貸契約中に鍵を紛失した場合の交換費用は、自己負担となりますので注意が必要です。

※UR賃貸住宅の場合は予備の鍵(マスターキー)はありませんので、鍵の保管には、十分ご注意ください。なお、鍵を紛失した場合は、防犯上、シリンダーごと交換することをおすすめします(この場合、交換費用はお客様の負担となります)

https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202012/000597.html

流石「ナシ!ナシ!」のURさんですね。

なので、気に入った物件で「鍵交換はあなたの費用です」と言われた場合、「わかりました。防犯のことは気にしないので、交換しないで構いません。」と言えば、交換しなくても賃貸借契約を締結することは可能です。

仮に賃貸住宅に前の入居者が侵入した場合、それはもう刑事事件です。「窓ガラスなどが割られていない、侵入口は玄関しかない。しかも鍵が開けられている。」となったら、管理会社に連絡し、前の入居者の情報を貰えば犯人逮捕に繋がります(逆に犯人特定が早くなる可能性もあります)。

こんな事件は起きてほしくないですけどね。

賃貸住宅入居後、鍵の交換はできるの?

入居時に鍵を交換してもしなくても、入居中に賃貸住宅の鍵を交換することは可能です。ただし、もともとドアについていた鍵の所有者は大家さん(貸主)なので、大家さんの了承が必要となります。

入居者が鍵を交換する場合、前の鍵をどうするか?つけた鍵をどうするか?について、あらかじめ相談することが望ましいです。

入居者が鍵をつけた場合(購入して費用負担した場合)、その所有権がどうなるかは難しい問題ですが、「ドアから取り外しができる」ので、ここでは所有権は入居者としましょう。

入居期間中はその鍵の所有者は入居者なので、仮に鍵が壊れた場合、その修理などを行うのは入居者となります。

そして大事なのは退去する時です。退去する時の選択肢は、

・入居者がつけた鍵を取り外す

・入居者がつけた鍵をそのままにする

という二つの選択肢となります。

まず前者の場合。鍵の所有者は入居者なので、「これは私の鍵です。ですからこの鍵は持っていきます」と言うことはできます。そして、以前の鍵を再度つければ問題はありません。ですが、鍵交換の際にそれまでついていた鍵を捨ててしまっていたら、大家さんが新たに鍵をつける必要があります。大家さんが「捨てていいよ」と言ったことを証明できれば、あなたは違う鍵をつける必要がありません。でも、大家さんが「捨てていい」と言っていないのであれば(証明できないのであれば)、あなたが大家さんの所有物である鍵を勝手に捨てたことになるので弁償しなければならない可能性があります。

つまり、このようなトラブルを避けるためには、あなたが古い鍵を保管し続けるか、大家さんから捨てて良いと了承を貰うか、どちらかの方法を選ぶ必要があります。

後者の場合。「この鍵はこのままにします。でもこの鍵の所有者は私なので、所有権を買ってください」と言う事が可能となります。でも、大家さんからすると「何で入居者が勝手につけた鍵を、後になって買い取らなければいけないのか」という気持ちになります。従って、つけた鍵をそのままにしておこうと思った場合は、貸主との間で事前に「私が退去する時は鍵を買い取ってください(貸主がカギを買い取ります)。」という約束を結んでおくか、「この鍵の所有権を貸主に無償で与えます。」という約束を結んでおくことが重要となります。

鍵を交換するのはどんな時?

鍵を交換するのはどんな時でしょうか?

既に記述しましたが、防犯面を考慮して鍵を交換するというケースがあります。他にも、鍵がスムーズに抜けなくなった等の物理的原因が考えられます。とにかく、鍵を交換したいと思った場合は、貸主・管理会社に相談しましょう。鍵の所有者は貸主なのですから、鍵を交換すべきと貸主が判断すれば鍵を交換してくれます。

それ以外のケースとして、「買い物の荷物を両手に持っていて、鍵を刺すのが面倒」とか「子どもに鍵を持たせたくない」という考えで、鍵を交換したいと考える方もいると思います。そうは思っても貸主を説得して鍵を交換してもらうのはなかなか至難。

「結局、入居した時の鍵で我慢しなければならない」と思う方が多いと思います。

鍵の交換をしなくても、スマートキー化は可能

実は、鍵を交換するのではなく、既存の鍵にプラスアルファーすることで、「買い物の荷物を両手に持っていて、鍵を刺すのが面倒」とか「子どもに鍵を持たせたくない」というニーズを満たすことができるのです。

実際に、賃貸住宅に住んでいる我が家も「プラスアルファ」をしました。我が家が導入したのは「SwitchBot 遠隔操作ドアロックProセット」です。

ドアの内側の「サムターン」に「ロックPRO」を取り付け、ドアの外側にシールで「指紋認証パッド」を取り付けます。そしてこれらの機器を制御するために「SwitchBot ハブ2」を室内に設置しました。

帰宅した時の鍵の開け方は、「スマホで解錠」、「パスワードで解錠」、「指紋認証で解錠」、「カードキーで解錠」の4種類から選べます。ほとんど「指紋認証で解錠」を選択しています。

家を出る時の施錠方法はパッドの「施錠ボタン」を押すだけ。とても楽です。

また、このシステムの良いところは、「鍵を解錠すると家の電気やエアコン等をつけたりすることができる」、と言う事です。鍵を開けると電気がつく。本当に便利です。

大家さんは手持ち物件をスマートホーム化することで競争力を強化できる

入居者が「プラスアルファ」して、生活を快適にすることについて説明しましたが、実は「防犯面」という点では何も改善できていません。あくまで既存の鍵をベースにしているからです。

でも、実は賃貸住宅のオーナーにとっては、これらの機器を導入することは、他の賃貸住宅との差別化につながるのです。

例えば玄関の鍵を「スマートロック」にすれば、鍵交換に関するトラブルを避けることができます。また入居者が変わった場合、それまで登録していた情報をリセットすれば「防犯面」も問題ありませんし、入居者に「快適な生活」を提供できるのです。

玄関の鍵だけではありません。

解錠すると家の電気がつき、エアコンが稼働する。

室内のペットの様子を見ることができる屋内カメラを設置する。

朝決まった時間にカーテンが空く。

ドアや窓のセンサーで、異常時には携帯に連絡が来る。

賃貸住宅でこのような「プラスアルファ」を提供することで、成約率を高めることにもつながりますし、入居期間を長くすることにもつながります。

また、室内センサーを導入すれば、万が一入居者に何かがあっても発見することができます。

ニュースで「孤独死」が話題になることがありますが、孤独死は高齢者だけの問題ではないのです。若い世代でも突然孤独死することはあります。孤独死を感知するセンサーを賃貸住宅に設置しておけば、リスクヘッジにもなるのです。一人暮らしをしている子どもや高齢者がいる世帯にとっては、安心材料になるのです。

弊社は賃貸住宅にIoTを導入する会社と提携しておりますので、賃貸住宅のスマートホーム化にご興味がある場合、気軽にご相談ください。